RCAP2021のプレゼンテーションを公開します!
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RCAP2021のプレゼンテーションを公開します!

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RoboCup
LEGEND
Published
February 12, 2022

クリエイティブに批判する。

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ちょっと文脈は違いますが、これがしたいです。アートの世界です。
 
Boston Dynamicsがこのような動画を上げました。
社会のロボットに対する偏見への批判なんだろな。
クリエイティブに批判するってのはたぶんこういうこと。
僕にとってロボカップジュニアもこの大会で最後だったので、
RoboCupの歴史に名前を刻んでLEGENDをLEGENDにしたかった。
 
思いついたのが「次世代のスタンダードを作る」ということでした。
 
物を作って示しました。
しかしこれだけではクリエイティブな批判にはなっていないと思います。
まだ足りないと思います。
 
ハードウェア作る人はこのスタンダードを目指してください。
 
あと自分が密かに思っていたこともプレゼンテーションポスターに書きました。
  • 交換のしやすさを意識してハードウェア作ってるチーム少ない
  • データを集めて何か傾向を探る、処理するということ(≒データサイエンス)をしているチーム少ない

ハードウェアは真似しやすい

見たら誰でも真似しようと思えばそれらしいものは作れる。しかしハードウェア作っている人の細部のこだわりに気づいている人はかなり少ないと思います。ほとんどの人が表面的なところしか目がいかない。細部までこだわれているポイントを紹介しました。自分にしか語れないこと。そういう物の方がハードウェアとして公開されて嬉しいと思います。今回はリペアビリティについて紹介しました。モータードライバやラインセンサの交換が一瞬でできるのが特徴です。

ロボットの動きは誰も真似しない

真似しないというよりはできないのかもしれないです。ロボットの挙動(≒ソフトウェア)はかなり真似をするのが難しいと思います。例えばですが、オムニホイールの制御ですがなめら中にいろんな方向へ移動するプログラムについてです。あれには三角関数が使われています。しかしロボットを見ただけでは「三角関数を制御に組み込んでいるな!!」とは気づけないですよね。あとは全方位カメラでゴールの位置を推定していることや、ラインセンサの位置推定にマウスセンサや加速度センサをカルマンフィルタで推定しているみたいな制御プログラムは目で見て気づけないし、真似できないと思います。そういうのを発表している人少ないですよね。
今回僕がテクニカルプレゼンテーションで発表したのは、Myserialというシリアルデバッグツール(自作)を使って、ロボットがゴール前にいるかどうかを10000個のデータを取得し、そこから簡易な数式モデルを作って、ロボットに入れてあげることで、機械学習的なことをしてみようという内容でした。Myserialは自作ツールですが、誰でも使えるようにネットに公開しています。

プレゼンテーション賞を公開します!

Best Presentationをいただいたポスターです!!
ロボットに使っているセンサなどに関する情報が皆無です。意図的に載せませんでした。
その代わりロボットの開発手法とロボットの設計思想について詳しく書きました。

英語版

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日本語版

レイアウトがダメですね。英語で作ったので少し文章量が変わっています。-1
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最後に書くポスターは何を思って書いたか。

今までのポスターにはロボットに搭載しているものなどを書いてきました。そうすると図を載せることができるのでイメージしやすいものを作れますし、頑張った感も出て一石二鳥ですね。
しかし最近違和感を覚え始めました。それはまあなんというか、僕がビジコンに出たりしていく過程で他者との差別化や優位点や消費者のインセンティブを考えすぎて、作る立場(≒エンジニア)からプロダクションする立場(≒PdM?)へと、思考回路が変わってしまったからのもありそうです。
変わったというよりは選択肢にそういう思考方法が入った。というのが自然かもしれません。
それでどんなことを思ったかといいますと「他のチームの誰も書けないようなことを書かないと自分がここにいる意味を見出せないのではないか??」という感じです。Wikipediaでいうと特筆事項でしょうか。
「誰でも書けるような内容を今更書いて意味あるの?コモディティな内容を書いて評価されるつもりでいるんですか?」若干で虐待視した思考が含まれています。良く言えばクリティカルシンキング(批判的思考)とも言います。近年求められている教育要素ですね。

最後に

あと、勝つことだけが美学ではないです。
試合に勝つのも大事ですが、それ以上に人と交流して全国に仲間を作って欲しいですし、技術交流をして高め合っていける環境になって欲しいです。徹底的に情報統制がされていたり勝つことが全てみたいな思想を押し付けられている子どもたちもいるそうですが、かわいそうなのでもっと楽しく技術に取り組める環境になって欲しいと願います。ロボカップは科学の祭典です。技術を競わせ、作り上げてきたものを発表し、次の研究に役立て、将来的には社会に還元する義務があります。ロボカップジュニアは次世代のロボット技術者を増やすための活動なので、楽しんで技術に触れられる環境になって欲しいです。
  • なるべくスマートに戦って欲しい
  • 情報処理を頑張って欲しい
  • 科学や技術というフィールドで戦う以上、スタートダッシュがどうとか、ツヨイモータを搭載してゴリ押し戦法するのしかできないようになって欲しくない笑
もちろんハードウェアを扱う大会なのでどうしてもお金はかかります。しかし情報処理はハードウェア依存といえどもまだ緩やかです。最近はハードウェアも完成されつつあります。その中でで有利になりたいのであれば、情報処理や制御なども頑張って欲しいと思っています。
最近ではオープンソースにする面白いチームもいますし、技術交流をするブロックもあります。
なのでなるべくLEGENDの情報公開を徐々にやっていけたらなと思っています。
引き続き宜しくお願いします。